どこまでを資産に含めるか

どこまでを資産に含めるか

アーリーリタイアを試みるにしろ、SNSで資産自慢をするにしろ、資産額の算出は避けて通れませんが、その割に資産の算出方法はきちんと定まったものがありません。実は、何をもって “資産” とするかはなかなかに難しい問題です。手元の現金で現物株や投資信託を買っているだけならば単純にその時価総額を見れば良いだけと思われるかも知れませんが、その他にも隠れ資産とでも呼ぶべきものがあるのです。アーリーリタイアを検討されている方は、これらを棚卸しすると計画を早められるかもしれません。

この記事では、一般に資産に計上される株式や投資信託、銀行口座の現金の他に、見落としがちな資産を紹介します。

老齢年金

今まで年金を積み立ててきた方は、それも資産と言えます。老齢基礎年金及び老齢厚生年金はねんきんネットでいつでも確認できます。確認できるのはあくまでも受給予定年金見込額であり、現時点での資産に換算するには現在価値に割り引く必要がありますが、簡易に行うのであれば今までの保険料納付額などで代用しても良いでしょう。アーリーリタイアの試算を行うのであれば、単に定期収入として加えておくのが良いかもしれません。

その他、ある程度大きな企業に勤めてきた方は、加給年金加算などのねんきんネットに載っていない隠れ年金があるかもしれません。

確定拠出年金

確定拠出年金制度を実施する企業に勤めている方はその金額も資産に含めて差し支えありません。こちらは老齢年金とは異なり、その時点での資産評価額が確認できることが多いので、より資産として認識しやすいでしょう。

タンス預金

タンス預金というと聞こえが悪いのですが、いざというときに備えてある程度の現金を家に置いている方は多いものと思います。ATMが使えないときに備えて、急な冠婚葬祭用に、災害時用に、単にヘソクリとして、など理由は様々ですが、これらが数十万円にものぼるようであれば、資産として計上しても良いでしょう。

休眠口座に眠っている現金

今は使っていない銀行口座や証券口座にも案外バカにならない金額が眠っているものです。整理できる口座は整理し、それでも残さなければいけない口座のお金はきちんと資産に計上しましょう。

キャッシュレス決済サービスの口座

最近のキャッシュレスブームで、各種決済サービスにそれなりの金額を入れている方も多いかと思います。すぐに消費するお金はともかく、すぐには使い切れないある程度まとまった金額を入れている場合は資産に計上しても良いでしょう。Suicaなどは上限が2万円に制限されており、資産に計上するほどの金額はそもそも入れられませんでしたが、PayPayを始めとする最近のQRコード決済は上限額も大きく、資産と言えるほどの金額も扱えます。また、Paypalなどのネット上の決済が主戦場のサービスは意外に忘れがちです。

保険

貯蓄型の保険を契約している方はその金額も資産に計上してしまいましょう。貯蓄型の保険の良し悪しはここでは扱いませんが、すでに長期に渡って契約されている方は、まとまった貯蓄がある場合も多いでしょう。

自家用車、美術品、貴金属、コレクションなど

いわゆる実物資産も資産に計上できます。不動産などはあらかじめ売却を意識して購入することが多く資産という意識を持たれることも多いのですが、自家用車や美術品、各種コレクションなど趣味性の高いものはあまり資産として認識されていません。生活必需品でない限りいずれも資産として金額換算できますので、すぐに売る気がなくとも一度試算してみるのも良いでしょう。

相続予定の遺産

親族に資産があり高い確率で相続する見込みがある場合は、それも資産として計上できるかもしれません。ただし、争いが残ることが予想される場合は過信しない方が良いでしょう。

借金

SNSの資産自慢の中には借金を資産に計上していない方も多いようです。特にレバレッジをかけることが前提の不動産を主戦場とする場合にその傾向が強いように思います。資産を大きく見せることや資産規模よりも事業規模を示すことが目的であればまだ良いのですが、資産規模を正確に把握することが目的であれば借金はきちんと資産から差し引いたほうが良いでしょう。

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