労働の次は節約
以前の記事で、金と暇への第一歩は労働と書きました。
しかしいくら労働で稼いでも、何も考えずに浪費してしまっては、いつまでも金と暇を得るための種銭が確保できません。入るを量りて出ずるを制すと言われるように、出費をきちんと制していくことが欠かせません。ところが、実際に出費を抑えて一財産を築いている人はほんの一握りです。
なぜ多くの人が出費を抑制できないのでしょうか。その理由は、意思の弱さや能力にあるのではなく、正しい節約の方法を知らないことにあります。
節約は固定費から
節約と言って真っ先に思いつくのは、生活の中で目につく見える無駄の数々です。点けっぱなしになっている照明、追い焚きしているお風呂、少し割高だけどな最寄りのスーパーでの買い物、まだまだあります。しかしながら、これらの目につく無駄を削減してくのは、節約の効率があまり良くないものです。元々が積もらせなければ効果が薄い塵とういこともありますが、それ以上に継続的な努力が必要な点が問題です。たとえこまめに電気を消して回って電気代を数十円節約できたとしても、その努力を止めた途端におしまいです。また、金と暇がある暮らしを手に入れようとしているのに、せっかくの暇を節約のための努力につぎ込んで生活の質を落としてしまっては本末転倒です。元々がマメな性格でこうした日々の工夫が楽しめるのならば問題ありませんが、その種の人にはすでに節約できる余地はあまり多く残されていないでしょう。
一方、目に見えないままに垂れ流しになっている固定費は案外に多いものです。少し奮発して選んだ部屋の家賃、内容もよくわからないまま付き合いで加入した保険、窓口で勧められるままのプランで契約した携帯電話、他にも銀行講座の引き落とし履歴やクレジットカード明細を見るとまだまだ見つかるでしょう。これらを見直すことによる節約効果は絶大です。元々の金額が大きいこともありますが、一度見直しをしてしまえばその後は努力をせずに節約が継続するのが魅力です。休日を一日潰してこれらの固定費を見直すことは、十分に見合う投資です。また、生活の質を落とさずに削減できる部分が変動費に比べて多い点も見逃せません。多くの企業がなんとかしてストックビジネスに食い込もうとしのぎを削っているのには、それなりの理由があるのです。
お金がないと節約すらできない
長期に渡りじわじわと節約する方法として、上で挙げた固定費の削減の他に、自動的に削減できるような仕組みに投資する方法があります。具体例を挙げると、大きな冷凍庫を導入して買い溜めができるようにする、エネルギー効率の良いエアコンを取り付ける、などです。これらの方法も、一度システムを作り上げてしまえば意識することなく節約を継続することが可能となります。初期投資さえしてしまえば、長い時間をかけて自動的に回収でき、初期費用を回収した後は丸々利益となります。
ところが初期投資が必要ということは、お金がないと節約すらできないということでもあります。自炊をする道具を揃える余裕がない人は、割高な外食やインスタント食品に頼ることになります。一方、初期投資を賄えるだけの資産を築いた後は、長期的な視点での総費用が最小となるような選択が可能となります。