冷静に耐えることに加えて
2020年4月現在、新型コロナウィルスの蔓延に伴う株価下落が続いています。
先の記事で、暴落時の心構えを書きましたが、あくまでも冷静に耐えることを主眼としたものでした。もちろん長期投資家は暴落時も狼狽売りを避けてじっとホールドし続けるのが最善ですが、何もしなくても良いというわけではありません。このエントリでは、暴落時にするべきことをまとめます。
資産のリバランス
暴落時にはおそらくあらかじめ決めた資産配分比率を大きく逸脱しているはずです。株式が下落した分その比率が低下し、債権などの比率が増加しているはずです。このバランスを予め決めた比率に戻すことが、暴落からの回復期に大きな利益を生んでくれます。
暴落時に一定のルールに従った買い増しを推奨する人もいますが、リバランスも本質的には同じ行為です。株価が下がれば下がるほど、すなわち株式の比率が下がれば下がるほど、自動的に買い増しが行われます。資産配分比率を守り続ける限り、弾切れを起こすこともありません。
もちろん、株価回復時には再度リバランスを行い、株式からの利益をある程度確定させていくことも重要です。それが、次の暴落の損失を軽減してくれます。
クロス取引による損出し
大きな含み損となった銘柄や投資信託がある場合は、クロス取引により損出しをしてしまうことも有効です。特定口座で資産運用をしている場合は、譲渡損失と配当所得は自動的に損益通算されますので、大きな手間はかかりません。
損出しは本質的に税金を下げる行為ではなく、あくまでも課税を先送りするだけですが、長期投資家にとってはこれが馬鹿にならない利益を生んでくれます。ごく僅かな手数料 (それも最近は無料化が進んでいます) と手間で、長期投資を刈り取る数十年後まで課税を先送りできるのです。