ファイナンシャル・プランニングの限界
ファイナンシャル・プランニングの重要性は今さら述べるまでもありませんが、そのカバーする範囲は案外限られています。ファイナンシャル・プランニングは人生の夢や目標をかなえるための資金計画を立てるには有用ですが、肝心な人生の夢や目標を与えてくれるわけではありません。また、その夢や目標が家族で慎ましく暮らすマイホームを購入するといった一般的なものならまだしも、前例のない個性的なものであるのならばいくらかかるのかを自力で見積もる必要があります。
代表的な国家資格であるファイナンシャル・プランニング技能士の試験科目は以下の6つです。いずれも資金計画を建てる助けにはなりますが、その資金を何に活かしていくかは埒外であることがよくわかります。
- ライフプランニングと資金計画
- リスク管理
- 金融資産運用
- タックスプランニング
- 不動産
- 相続・事業承継
人生に必要な額
人生の夢や目標を明確にするには、棺桶リストが効果的です。まずは棺桶リストを作成し、それぞれの項目にいくらかかるのかを見積もっていきます。ここで具体的な金額を書き出すことで、はじめて人生の夢や目標に必要な額が明確になります。いくらかかるかわからないうちから、なんとなくお金がかかりそうというイメージだけで夢や目標を諦めるほどバカバカしいことはありません。
さらに、最低限生きていくための生活費を忘れてはいけません。ファイナンシャル・プランニングの相談サイトでは毎月家計簿をつけて生活費を算出していますが、これは家計の無駄を探すための方法であって、現在の生活費を知るための方法ではありません。サラリーマンの場合、生活費を知るもっとも手軽な方法は年末に源泉徴収票で確認できる手取り年収と年間貯金額 (資産を株式等で運用している方は証券会社への入金総額) の差分を取ることです。もちろんこの方法では税金絡みなどで細かな誤差が生じますが、支出を大づかみするには十分です。
さて、これで今後の人生に必要な額が見えてきました。ここからがファイナンシャル・プランニングの出番です。
必要額を確保するための資産運用
今後の人生で必要な額をすでに持っている方、おめでとうございます。これがいわゆる経済的自由と呼ばれる状態です。あとは棺桶リストを片手に充実した人生を送るだけです。
いくらか不足しているという方は、不足額をどのように稼ぐかの算段をする必要があります。不足額によってはここで無理に資産運用をしてリスクをとる必要はありません。充実した仕事に就き給与が十分ならば、そもそも資産運用などしない選択肢もあります。
ここで、給与だけでは到底追いつかない、時間がかかり過ぎる、ということが明らかとなった方は積極的に資産運用に取り組む必要があります。夢や目標をかなえるためにどれだけ給与を増やし、生活費を圧縮し、リスクをとった投資をする必要があるのか。それを試算するには、拙作のカネグリが助けになるかもしれません。